일문목차
はじめに=5
I. 富士山の景観から読み取る人と農業
1. 野焼きがつくり出す畑作空間―富士山北西麓·根原地区(静岡県富士宮市)=16
根原地区の野焼き=16
金の交易ルートに拓かれた根原地区=20
土地は地区で共有=24
根原に伝えられる野焼きの知恵=27
野焼き·火山灰土·朝霧がダイコンを名産に=31
ダイコン栽培と組み合わされるシイタケ栽培=34
2. フジマサを砕いて牧草地に改造―富士山西麓·朝霧高原(静岡県富士宮市)=37
戦後開拓で拓かれた朝霧高原=37
西富士長野開拓団の苦闘=42
下駄の歯だけでも南へ=46
酪農家·植竹一男さんの歩み=48
飲み水, 生活水にも事缺く土地柄=52
マサを粉砕する大事業「マサヌキ」=54
3. 沢を渡る用水の不思議―富士山南西麓·北山地区(静岡県富士宮市)=57
「八百八沢」なのに水が不足?=61
「埋樋」と「掛樋」で沢を渡る北山用水=63
北山地区の暮らしをうるおす北山用水=65
水騒動もあった北山用水=67
「フッタテ」が吹くと水不足になる=69
「火を逃がす」ことでできる裾野の草原=69
4. せめぎ合う茶畑とヒノキ林―富士山南麓·富士本地区(静岡県富士市)=71
茶畑(ヤブキタ)の拡大と縮小=74
健闘する「富士ヒノキ」=78
富士本へ入植したアラジンショウ(新身上)たち=79
アラクでの焼畑と植林=80
茶畑とヒノキ林とのせめぎ合い=82
「雨降り山」の伝説=83
三代にわたる荻野家の茶園と林業=84
5. オオノッパラは堆肥の宝庫―富士山南東麓·須山地区(静岡県裾野市)=89
少なくない降水は流れ去る須山地区=92
四つの生活空間に支えられた須山=94
村を挙げて湧水を求める=97
オオノッパラの野焼きで堆肥を確保=99
須山のトウモロコシ栽培に不可缺な堆肥づくり=101
トウモロコシと麦の二毛作で主食を確保=103
粉食にするモロコシの食べ方=106
地下水の確保が須山の生活を変えた=107
伐採跡地·「アラク」で雑穀を栽培=108
富士山の溶岩を活用した須山の炭焼き=109
勝間田一族と印野地区=110
ウシコンバ水源と勝間田八郎左衛門=113
神として祀られる勝間田八郎左衛門=115
6. 冬の耕地に水を引いて菜っ葉を栽培―富士山東麓·阿多野地区(静岡県小山町)=117
厳寒の富士山東麓で栽培する水掛菜=120
水のない臺地「アタノッパラ」に水を引いた江戸時代の先人=121
水掛けの技法=126
越後から伝えられた水掛菜の栽培=127
水田に水を回すウネタテの工夫=129
トウナが小田原に行っちゃった=130
水田稲作の綠肥から生まれた水掛菜=132
昭和二十年代の稲作と水掛菜=133
7. 「内野モロコシ」で名を上げた畑作地帯―富士山北東麓·内野地区(山梨県南都留郡忍野村)=135
ホッペのアキャー子は内野の子=135
内野用水によって拓かれた水田=140
柿ができない村=144
代代つくられた甘いトウモロコシ=144
畑作地帯に広がる水田=146
8. 富士山の農鳥が見える水田―富士山北東麓·新屋地区(山梨県富士吉田市)=149
新屋から見える農鳥=149
稲作の出来を左右する農鳥出現の時期=154
「水掛け」の技法を麦に使った水掛麦=156
用水から読み取る隠された地形=158
畑に水を回してつくる水掛麦=161
冷たい水田の水を暖める「トメ水」=163
新屋でも堆肥が支えたトウモロコシ栽培=164
新屋の昭和二十五年頃の農作業暦=165
9. 高原野菜の名産地から見える農鳥―富士山北麓·鳴沢·大田和地区(山梨県南都留郡鳴沢村)=167
高原野菜と観光で有名に=170
コウチ(垣内)の水槽が生活を支える=172
食料不足に備える先人の知恵·郷倉=173
スイートコーンで成功した「鳴沢モロコシ」=174
鳴沢ではキャベツ栽培が定着=176
土を豊かにし種を守るゲス(堆肥)=177
鳴沢村の「農鳥」の役割=179
II. 生業空間としての富士山麓
1. 富士山麓の生業と景観=182
焼山, 木山, 草山=182
富士山麓の生業=189
富士山の潜在植生と生業=194
富士山麓における生業の自然要因=196
富士山麓の集落=197
2. 富士山という景観の多様性=201
世界文化遺産としての富士山=201
生業に支えられる文化的景観=203
生業空間とは何か=206
生業空間から見た富士山の景観=207
おわりに=209