일문목차
序章 先行研究の整理と本書の課題=3
一. はじめに=3
二. 近世の「法」をめぐる研究の特色=4
三. 三都の都市法(町触)に関する研究=6
四. 本書の課題とその方法=8
第一篇 江戸における都市法の構造
第一章 近世江戸の都市法とその運用·施行に関する一試論―『類集撰要』(旧幕府引継書)巻七·巻八を素材として―=17
はじめに=17
第一節 法の発給主体と都市法の運用=22
1. 町奉行発給の触―惣触と町触を中心に=22
2. 町年寄·与力発給の「行政法規」―「尋」を含む=30
3. 町役人間の通達や「申合」=32
第二節 「尋」「回答」と法令の実態調査=35
1. 基本的政策のための実態調査=35
2. 先行法令の存在確認の調査=36
3. 具体的政策の評判(影響)に関する調査=38
4. 回答に対する指示=40
第三節 町年寄·与力の機能と都市法の運用=43
1. 行政法規の機能=43
2. 町年寄·与力の独自の判断と町役人の要望=45
3. 法の伝達方法に関する試行錯誤=48
第四節 町役人間の「申合」とその都市法上の機能=52
1. 町奉行所(町年寄·与力)の示唆を受けての「申合」=52
2. 「申合」の機能とその都市法における意義=55
おわりに=60
補論一. 年番名主の「申合」とその基本的性格について=63
はじめに=63
一. 定式町触と「申合」=64
二. 年番名主の「申合」の性格=65
三. 年番名主の「申合」の定式化とその継続性=70
おわりに=72
補論二. 都市政策の展開と定式町触の内容の変遷―奉公人·人宿に関する「定式町触」を事例として―=76
はじめに=76
一. 正徳六年と享保九年の「定式町触」の内容=77
二. 享保十七年の「定式町触」の変化=79
三. 宝暦八年の「定式町触」とその後の変遷=81
おわりに=86
第二章 都市法における「尋」と「答」の目的とその機能―江戸の「地面」と「人別」の問題を分析対象として―=92
はじめに=92
第一節 「地面(土地)」問題をめぐる町触と「尋」·「答」=96
1. 享保期を中心とする町触とその内容=96
2. 実態調査や情報収集のための「尋」·「答」=100
3. 先行法令の存在とその実効性調査のための「尋」·「答」=102
4. 町年寄と町役人による政策の運用=106
第二節 「人別」問題をめぐる町触と「尋」·「答」=110
1. 江戸における「人別」法令の基本方針=110
2. 町年寄による「尋」の内容上の特色=115
3. 「尋」と「答」を通じての人別改に関する施行細則=118
おわりに=124
第二篇 都市政策の展開と都市法の整備
第三章 近世中後期·江戸の「町火消」制度の変遷とその特色―特に町役人宛ての法令類を通じて―=129
はじめに=129
第一節 享保期より天明期までの町火消制度の変遷=132
1. 町火消組合の成立とその後の変化=132
2. 御奉行付町火消の機能とその廃止=138
3. 町火消制度の鳶人足による「改良」=143
第二節 天明期より寛政期前半の「町火消」制度の変化と定火消の機能の浮上=147
1. 「御曲輪内出火」出動の中止と「定火消持場」との境界線の設定=147
2. 寛政四年一月二十三日の申渡と定火消の役割=150
3. 寛政四年一月二十三日の申渡に対する町方の反応=151
第三節 寛政期後半以降の町火消制度=155
1. 文政十一年七月の「尋」とその返答書の内容=155
2. 寛政九年十月の申渡と文政二年十一月の「被仰渡」=158
おわりに=161
第四章 「紛失物吟味」制度の変遷に見る「都市法」の成立=164
はじめに―問題の所在と先行研究の確認=164
第一節 質屋等の組合の結成と紛失物の「訴方」手続きの成立=166
1. 組合結成の指示=166
2. 紛失物に関する「訴方」手続きの成立=172
第二節 組合人数の確定と紛失物の「訴方」手続きの修正=175
1. 「紛失物吟味」制度の問題点=175
2. 明和九年の組合人数の確定と紛失物の「訴方」手続きの修正=178
第三節 「紛失物吟味」制度のその後の展開=181
1. 新たな問題の発生=181
2. 新たな対応策の特色=185
おわりに=188
第三篇 天保改革期の都市法の特色
第五章 天保改革期の江戸における都市法の内容構成とその特質=193
はじめに=193
第一節 天保改革期の江戸の法―「触」と「申渡」の存在=195
1. 「市中取締類集」町触申渡之部を分析対象として=195
2. その特色=196
第二節 天保改革期における江戸の町方での法令の類型化=208
1. 「天保新政録」の記述内容を分析対象として=208
2. 北町奉行所と南町奉行所発給の申渡の特徴=222
3. 町年寄発給の申渡の特徴=226
第三節 京都における江戸「町触」の具体的内容=231
1. 京都で触れ出された江戸の「町触」=231
2. 京都における江戸の町触, 申渡に対する独自性=234
おわりに=236
補論三. 「御触被仰渡目録」(「布告留」一)の記述内容と江戸における都市法の諸類型=239
はじめに=239
一. 「目録」収載に際しての都市法の基準=240
二. 表に関しての問題点の存在=241
三. 「目録」の内容と都市法の諸類型=267
おわりに=268
第六章 天保改革期の江戸における都市法の構造とその運用=271
はじめに=271
第一節 天保改革期の江戸における都市法の構造=274
1. 都市政策上の「基本法」とその他の法の存在=274
2. 町触や申渡(被仰渡)の性格とその施行細則としての「法」=302
3. 「基本法」の遂行·補完のための町役人間の「申合」=309
第二節 天保改革期の江戸における都市法の運用の特色=315
1. 実務役人による調査の実施=315
2. 実務役人による都市法の解釈と柔軟な措置=321
3. 具体的施策の決定と町方の意向の反映=326
おわりに=339
終章 近世中·後期の江戸における都市法の特質=343
一. 江戸の都市法の性格=343
二. 大坂, 京都における事例との比較=345
三. 近世における都市法の特質=350
あとがき=355
索引=1