第1章 モノは語る木簡と史書は語る ――平城宮大極殿建設の真実 舘野和己葡萄の道――「ボ・ダウ」「ぶだう」「ブドウ」 矢島洋一平城京から出土した奈良時代の墨とその材料――墨と膠 宮路淳子天皇宸筆写真(女高師撮影)――奈良女高師による歴代天皇の宸筆撮影の試み 的場美帆イラクサ+鹿+進化論――植物の鹿対策 佐藤宏明運ぶラクダ、運ばれるラクダ――世界中にあるその足跡 矢島洋一旧奈良監獄――なぜ近代化遺産なのか 水垣源太郎大仏とムスリム――ナラノダイ・ブジュ 矢島洋一七夕と索餅――古代菓子の謎に迫る 前川佳代奈良の「●飥(ハクタク」と平泉の「はっと」――甦る古の味 前川佳代銘木・吉野材――生活空間における魅力 藤平眞紀子先史の技術と生きる――吉野郡川上村に伝わるトチノミの非加熱アクヌキ法 武藤康弘本棚は語る――奈良女高師における図書分類 磯部 敦鹿のふん菓子土産考――転送と配合 小川伸彦第2章 まなざしと表現高松塚古墳のメディア学――発見当時の新聞記事を読む 小川伸彦大いなる『正倉院模造宝物』――吉田包春の美の世界 六車美保『吉野葛』――書かれなかった後南朝の歴史小説 磯部 敦体験としての『大和古寺風物詩』――あなたはどれで読みますか? 磯部 敦『英文奈良案内記』――大正時代の『奈良ガイド』 樽井由紀一万八千の世界――奈良で考える信仰の接点 矢島洋一ウェブ地図と社会――OpenStreetMapを用いた奈良のマッピング 西村雄一郎ポケモンGOと「永代福」――失われた奈良の風景を探せ! 西村雄一郎東大寺秘仏へのまなざし――東大寺蓮乗院と『覚禅鈔』 森 由紀恵疫鬼退散祈願と毘沙門天――時代をこえる信仰 佐藤有希子南都八景――風景をめぐる見立ての系譜 内田忠賢第3章 横顔に映る奈良宇多上皇、吉野宮滝へ――道真の「御幸記」を繙く 西村さとみ澤田四郎作を知っていますか――大和が生んだ知のネットワーク 寺岡伸悟死の淵に射す光――保田與重郎「浪漫主義」再考 田中希生『寧都訪古録』――森鷗外の奈良滞在時の日記 吉川仁子魂よ、海に還れ――折口信夫と他界観 田中希生鑑真和上の招請と菩薩戒――為政者が希求した仏教の力 河上麻由子唐土の月、三笠山の月――変貌する阿倍仲麻呂 西村さとみ池田小菊『帰る日』――舞台は奈良――女性教師が描いた大正の恋 吉川仁子岸田日出男のエコロジー――紀伊半島の過去と未来をつなぐ 松田 度阪本猷――本を愛した吉野の実業家 吉川仁子志賀直哉「犬」――炎天下、奈良の町で飼犬を探す 吉川仁子椎岡廟と佐保殿――不比等がみつめる奈良女子大学 前川佳代志賀直哉と純文学――秘められた時代精神 田中希生第4章 時空間を超えて「国のまほろば」という言葉――その理由と時 小路田泰直景観に見る奈良の風――見えないものから奈良を見る 浅田晴久吉野郡の熊野街道――起点は下市と上市 西谷地晴美城下町大和郡山――その空間構造を読み解く 吉田容子十津川村の「自然」と風景の五〇年――今昔写真によって知る地域の変化 西村雄一郎十津川とブータン――比較地域研究の試み 浅田晴久土地を通して読む人々の暮らし――条里と条坊の痕跡を手がかりに 宮崎良美邪馬台国=大和・新論――小浜から東大寺、そして卑弥呼の国へ学校が建っている場所はその昔……――発掘調査でわかること 宮路淳子GISを活用して土地に刻まれた歴史――地割を読み解く 出田和久飛鳥豊浦寺跡界隈――歴史の記憶/記憶の歴史 小川伸彦第5章 暮らしの今昔女性の暮らしやすさから見た奈良――家事・育児負担とサポート・ネットワーク 水垣源太郎あとの祭りにしないために――祭礼継承のためにいま何をなすべきか 武藤康弘女性が紡ぐ祈りの風景――民間信仰と女人講 有安美加地域内経済循環――川上村における地域づくりの取り組み 青木美紗遷都と都の住民――『続日本紀』にみる人々の動きと暮らし 宍戸香美隧道請負業・松浦音五郎――鉄道の黎明を支える 岡島永昌金剛山麓に残るマンボ――消えゆく近代の農業遺構を探しに 浅田晴久よみがえる山あいの村――十津川村・谷瀬集落再生プロジェクト 室崎千重都市化と結核療養所の立地――奈良にもトトロはいたか? 石﨑研二女性の教育と職業――統計データでみる特性 林 拓也平城京を行き来した人々――都を支えた百姓 宍戸香美