序 論 日本の境界・国境を問う(エマニュエル・ブルネイ=ジェイ、池 炫周 直美、エドワード・ボイル) はじめに 1. 「自然な国境」という神話 2. 人びとと領域の相克 3. 本書の構成 おわりに 第1部 境界地域と国のかたち第1章 「フロンティア北海道」を考える(ノウェル・ウィルソン) はじめに 1. 1968年の祝祭――内地へ同化する「フロンティア」 2. 2018年の祝祭――「フロンティア」への自問 おわりに第2章 国境を築く――「北方領土」に関するアクター、利害、象徴(アレクサンダー・ブフ) はじめに 1. 島の返還を求めた初期の草の根運動 2. 領土返還運動の大義と北海道庁 3. 北海道内の返還運動から国民的な使命へ おわりに第3章 「引きちぎられた」南の境界――「日本」と沖縄と奄美のあいだ(天野尚樹) はじめに 1. 北緯50度線/30度線――引き剥がされた北/引きちぎられた南 2. 北緯27度線/27度半線――奄美の脱琉球化、あるいは琉球の沖縄化 おわりに 第2部 難民、移民、無国籍第4章 引揚を難民として考える――大日本帝国崩壊の再評価(ジョナサン・ブル) はじめに 1. 難民としての引揚者 2. 民族移動としての帝国後の日本人の移動 おわりに第5章 「難民」という名の言説――脱北、シリア、ジェンダー(大茂矢由佳、明石純一) はじめに 1. 難民の定義と多様化する「難民」 2. 難民該当性をめぐる政治的議論 3. マスメディアにおける難民該当性の議論 おわりに第6章 日本における「移民の第3の波」?(池 炫周 直美) はじめに 1. 新しい在留資格および入国管理及び難民認定法の改正について 2. 外国人労働者受入れと地方自治体 3. 北海道の小規模自治体の先進事例 おわりに第7章 無国籍――国家からこぼれ落ちた人びと(陳 天璽) はじめに 1. 無国籍者とは 2. 統計から見えてくるもの・隠されているもの 3. なぜ無国籍者が発生するのか 4. 日本の無国籍の実態 5. 行政の無国籍に対する認識の実態 おわりに 第3部 国のかたちを考える第8章 「砦」としての国境保全政策――包括的な視点から(古川浩司) はじめに 1. 近年の国境保全政策――総論 2. 近年の国境保全政策――各論 おわりに第9章 国家と人びとの相克――北方領土問題を題材に(岩下明裕) はじめに 1. 安倍政権がやろうとしたこと 2. 安倍外交の破綻と主権に翻弄される人びと 3. 「元島民の手紙」――返還運動への打撃 4. 「共同経済活動」――打算の代償 5. シンガポールの現実――交渉の終焉 おわりに――主権と人びとのズレをどう埋めるのか結びにかえて(岩下明裕、エドワード・ボイル)