はじめに前 文要 旨序 章 対話の呼びかけ / 温故知新 / グローバルな文脈に伴う学びの出現 / 知識,学び,教育とは何を意味するのか / 本書の構成第1章 持続可能な成長:鍵となる課題 □ 変化がもたらす課題と緊張関係 生態系への負荷と持続可能性に欠けた経済生産・消費パターン / 増幅する富,一方で拡大するヴァルネラビリティと不平等 / 相互関係の強まり,一方で拡大する不寛容と暴力 / 人間の権利:その進歩と課題 □ 新たな知の地平 サイバー空間 / 脳科学の進歩 / 気候変動と代替エネルギー資源 / 創造性,文化的な変革と若者たち □ 新たなアプローチを求めて 多元的世界における多様性の承認 / 新たな知的体系との融合 / 多様な世界における教育の見直し第2章 ヒューマニズムの再興 □ 教育への人間主義的アプローチ 支配的な開発言説への対抗 / 確かな倫理的・道徳的基盤をもつ統合的アプローチ / 教育の4本柱の再解釈と擁護 / 学ぶこと自体を学び,コンピテンシーを伸ばす / カリキュラム開発を再考する □ よりインクルーシブな教育の保障 基礎教育の普及と根強く残る不平等 / 基礎教育でのジェンダー平等 / 中等・高等教育の男女機会均等 / 教育による格差是正の可能性 □ 変容する教育の情景 学校教育モデルは終わりを迎えるのか? / 学びの空間のネットワーク化 / 新しい学びの場の出現 / モバイル学習 / 大規模公開オンライン講座(MOOCs):期待と限界 / 伝統的な大学モデルの課題 / 大学ランキング:その活用と誤用 □ 知識基盤社会での教育者の役割 デジタル技術は教師の代わりにはならない / 教師の脱専門職化からの逆転 / 学術的専門性にとっての課題 / 公的教育の領域を越える教育者第3章 複雑化する世界での教育政策の立案 □ 教育と雇用のギャップの広がり 雇用の低迷とヴァルネラビリティの高まり / 若年層の不満の高まり / 変化が著しい職業世界と教育とのつながりの再考 □ 動きの激しい社会での学びの承認と認定 人の流れのパターンの変化 / 頭脳の流出から頭脳の獲得へ / 労働者と学習者の流動性の高まり / 大規模学習評価への関心の高まり:利点と危険性 / オープンで柔軟な生涯学習のシステムに向けて □ 多様でつながり合う世界でのシティズンシップ教育を再考する 新たな市民性の出現 / 国民国家の教育をめぐる課題 / 文化的多様性の承認と文化的排他主義の否定 / グローバルな世界での責任ある市民性と連帯感の育成 □ 教育のグローバルな統治と国家の政策立案 グローバルな統治の出現 / 説明責任に伴うデータの必要性 / 教育財政の流れの変化 / 国家の政策決定に出資者がもつ影響力 / 国際協力の力学の変化第4章 教育は共通善か? □ 問われる公共財としての教育の原則 インクルージョン,透明性,説明責任の要求の高まり / 教育の領域での民間の関与の高まり / 教育の民営化の影響と教育を得る権利 / 教育を得る権利を捉え直す / 公と私の境界の曖昧さ □ グローバルな共通善としての知と教育 公共財の理論をめぐる限界 / グローバルな共有財としての知と教育の再認識 / 根本的な原則の保持 / 共有財に関わる規制の役割と責任 □ 次の一歩に向けた考察解 説 1.エージェンシーとシティズンシップ ~Agency,Citizenship~ 1.私たちの前提を問い直す / 2.エージェンシー(Agency) / 3.すべての人がエージェンシーを発揮しうるために求められる公正 / 4.シティズンシップ(市民権:Citizenship) / 5.社会参画する市民形成の遅れ / 6.エージェンシー・フリーダムの観点から社会参画を再考する / 7.〈教育を再考する〉とは ~Rethinking Education~ 2.レスポンシビリティとアカウンタビリティ ~ Responsibility,Accountability ~ 1.近代市民社会の責任と,新たな変化 / 2.アカウンタビリティ:放置されてきたわかりづらさ / 3.アカウンタビリティの特性:計量的で結果ベースの責任 / 4.レスポンシビリティの特性 / 5.レスポンシビリティとアカウンタビリティ:それぞれの課題と誤謬 / 6.多様化複雑化する社会に応答する責任 3.多様性,社会正義,エンパワメント ~ Diversity,Social justice,Empowerment ~ 1.教育における文化の多様性(Cultural diversity) / 2.多様性(Diversity) / 3.多様性をめぐる抑圧や格差の問題 / 4.社会正義(Social justice) / 5.教育の機会の格差是正とエンパワメント(Empowerment) / 6.教育における文化の多様性,社会正義と教師教育 4.フレームワーク,ステークホルダー,プラットフォーム ~ Framework,Stakeholder,Platform ~ 1.〈私たち〉へ想いを馳せること / 2.フレームワーク(Framework) / 3.ステークホルダー(Stakeholder) / 4.プラットフォーム(Platform) 5.人権とウェルビーイング ~ Human Rights,Well-being ~ 1.基盤としての人権(普遍的人権) / 2.ウェルビーイング(Well-being:WB)への着目とその多義性 / 3.よりよく暮らすこととしてのWB / 4.WBと教師教育 6.インクルージョン/インクルーシブ,エクスクルージョン,声 ~ Inclusion/Inclusive,Exclusiom,Voice ~ 1.インクルージョン(Inclusion)とエクスクルージョン(Exclusion) / 2.インクルージョンの概念を取り巻く局面 / 3.万人のための教育に向けて / 4.声(Voice) / 5.声なき声(Voice)に耳を傾ける / 6.公共圏に向かう障害者たちの声 / 7.社会的調和を目指して 7.コンピテンシー,生涯教育,ノン/インフォーマル教育,キャパシティ ~ Competency,Life-long & Life-wide education, Non/Informal Education,Capacity ~ 1.はじめに / 2.Competency / 3.Life-longとLife-wide,Non-formalとInformal Education / 4.Capacity 8.功利主義,市場,ヴァルネラビリティ ~ Utilitarian ideology,Market,Vulnerability ~ 1.功利主義(Utilitarianism) / 2.市場(Market) / 3.ヴァルネラビリティ(Vulnerability)引用・参考文献(はじめに/解説)むすびに