.地 図展 望―Perspective.人、島、海、出遭い――太平洋海域世界史の困難と可能性………棚橋 訓.はじめに.一、太平洋とオセアニアの島々.二、忘却された歴史と太平洋の発見.三、「新たな世界」との出遭い.四、「新たな世界」の植民地化.五、歴史を取り戻す.おわりに問題群―Inquiry.太平洋世界の考古学………後藤 明.はじめに.一、太平洋世界の黎明.二、太平洋海域世界への進出.三、島々の移動とその戦略.四、島嶼環境における資源と環境認知および社会形成.おわりに――人新世における太平洋考古学の課題.ヨーロッパ人との初期接触から新たな太平洋島嶼世界の生成へ………風間計博.一、太平洋島嶼における歴史の複合性.二、ヨーロッパ人による探検と初期接触.三、太平洋島嶼住民とヨーロッパ人の相互関係.四、交易による資源の搾取と人口減少.五、新たな太平洋島嶼世界の生成.移民国家オーストラリア――流刑植民地から多文化社会へ………藤川隆男.はじめに.一、流刑の時代.二、自由移民の時代.三、帝国との紐帯と白豪主義.四、白人民主共和国.五、二つの世界大戦.六、多文化主義の時代へ.結びにかえて――経済移民の時代.ハワイの内側から見るハワイ史………矢口祐人.はじめに.一、ハワイの内側から外を見る.二、ハワイとキリスト教.三、王国の崩壊とアメリカ合衆国に対する抵抗.四、テリトリーから州へ.五、セトラー・アロハ・アーイナ.おわりに.先住民マオリのアオテアロア・ニュージーランド史………深山直子.一、プレ・コンタクト時代のマオリ社会.二、イギリスによる植民地化とマオリ社会の変質.三、先住民運動と国家の改革.パプアニューギニア史におけるホモソーシャルな政治と女性たち………馬場 淳.はじめに――二重に周辺化された女性たち.一、植民地期――周辺化のはじまり.二、独立への道――ホモソーシャルな政治史.三、ブーゲンヴィル独立問題.四、女性の政治参加.五、市民社会――女性グループの躍進.おわりに焦 点―Focus.フランス領ポリネシアの歴史………桑原牧子.はじめに.一、西洋人来航とポマレ王朝の誕生.二、キリスト教化と社会統一.三、ポマレ王朝の終焉と植民地統治.四、核実験と自治権獲得への戦い.おわりに.民族の対立と統合への可能性からみたフィジーの二〇世紀の歴史………丹羽典生.一、フィジー史の争点.二、イギリス植民地期からの移民や民族運動.三、独立後の政治紛争の歴史.四、二一世紀の展望.ソロモン諸島史にみる社会運動の系譜――植民地期からポスト紛争期まで………石森大知.はじめに.一、ソロモン諸島の植民地化と「平和化vii.二、社会運動の萌芽と第二次世界大戦.三、社会運動の顕在化.四、国家独立とその後の政治的混乱.おわりに.太平洋分割のなかの日本の南洋群島統治――委任統治と「島民」の創出………今泉裕美子.はじめに.一、日本統治時代までの分割の歴史.二、日本の南洋群島統治の始まり――日本海軍による統治.三、日本の南洋群島統治の展開――委任統治.おわりに.小笠原諸島史………石原 俊.はじめに――世界史のなかの「小笠原諸島」.一、太平洋の捕鯨業と帆船労働からのアジール――一九世紀前期の小笠原群島.二、日米による領有計画と「ブラックバーダー」の拠点――一九世紀中期の小笠原群島.三、日本併合と再編される移動民の世界――一九世紀後期の小笠原群島・硫黄列島.四、「砂糖の帝国」の「南洋」開発モデル――二〇世紀前期の小笠原群島・硫黄列島.五、日米総力戦の最前線――二〇世紀中期の小笠原群島・硫黄列島.六、米国の秘密軍事拠点から日本返還へ――二〇世紀後期の小笠原群島・硫黄列島.おわりに――帝国・総力戦・冷戦の矛盾の最前線.コラム―Column.東洋文庫における太平洋海域史資料………牧野元紀.オーストラリア先住民族と歴史の場所――エアーズ・ロック………窪田幸子.歴史の場としてのマウナ・ケア………井上昭洋.歴史の中の文身――ポリネシアのタタウ………山本真鳥.日本に渡ったウリ像――小嶺コレクション………山口 徹