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일문목차
地方裁判所
43. さいたま地裁(原啓一郎)平成二五年五月一〇日(平二三(ワ)三四〇七)=599
要旨
一. 走行車線を走行していた原告車(マイクロバス)と右側の追越車線を走行していたが走行車線に車線変更をしようとした被告車(普通乗用自動車)との接触事故につき, 被告が追越車線上で原告車を右後方から追い抜いた後, ウィンカーを出して車線変更を開始したところ, 原告車の運転者が前方不注視により被告車に気づかず走行車線上で漫然と加速して車間が詰まったことにより, 被告車と接触するに至ったと認め, 原告の過失割合を四〇パーセントと認めた事例
二. 事故により破損した原告車(マイクロバス)の修理費につき, 原告車の修理を擔当したA社は, 当初, 被告の付保保険会社と協議して車両の一部を塗装したが, 同車両を営業に使用すると顧客から見て塗装部分が事故により損傷したことが分かってしまうおそれがあったため原告の申入れにより追加塗装を行ったところ, バス運送事業会社が事故車と分かるバスで運転すると営業上の信用を損なうおそれがあり, 追加塗装の申入れは原告として無理からぬものであるとして, 追加塗装につき必要かつ相当な修理にあたると認めた事例
三. 事故により破損した原告車(マイクロバス)の修理費につき, 原告車の修理を擔当したA社は, 当初, 原告車の破損した右のコーナリングランプのみを交換したが, 交換後のコーナリングランプのカバーの透明度が左のものと異なっており, 顧客から見て事故車両と分かってしまうと営業上の信用を損なうおそれがあるため, 左のコーナリングランプの交換は, バスによる運送事業会社である原告としては無理からぬものであるとして, 必要かつ相当な修理にあたると認めた事例
四. 事故により破損した原告車(マイクロバス)の休車(運送契約のキャンセル)による逸失利益につき, 一五〇万二七〇七円を認めた事例
索引 自動車対自動車事故·物件損害(車両損害―修理費·休車損害)·過失相殺
44. 横浜地裁(吉田彩)五月一三日(平二四(ワ)七九九)=607
要旨
一. 被告車(普通乗用自動車)が原告(歩行者)と衝突した事故につき, 被告には, 被告車の直前を対向右折した乗用車の動静に気を取られ, 前方を十分注視していなかった過失があるが, 他方, 道路を横断中であったか, あるいは路側帯の外側(車道上)に立っていた原告は, 右方から進行してくる車両に対する注意が不十分であったと認め, 事故現場が人や車の出入りが頻繁なスーパーマーケットの前であることを考慮し, 原告と被告との過失割合を一五対八五と認めた事例
二. 原告(男·無職)は, 事故により外傷性頸部症候群及び腰椎捻挫の傷害を負ったところ, 診療経過など諸般の事情を総合して, 原告に覚せい剤後遺症等があるとしても事故と入通院治療との間に相当因果関係がないとはいえないとした事例
三. 原告(男·無職)の治療の長期化と素因減額につき, 原告は事故により外傷性頸部症候群及び腰椎捻挫の傷害を負い入通院治療を受けたが, 原告の入院が約三か月, 通院が約一〇か月に及んだことについては, 原告の既往症である覚せい剤後遺症等の精神疾患の影響があるとして, 民法七二二条二項の規定を類推適用し, 原告の損害額の五〇パーセントにつき素因減額を認めた事例
索引 自動車対歩行者事故·傷害(男·年齢不明·無職)·素因減額(その他)·過失相殺
45. 大阪地裁(長島銀哉)五月二一日(平二三(ワ)三六七六)=616
要旨
一. 被告A社が自ら請負った牛乳の配達及び空箱回収業務を被告B社に下請けさせ, 被告B社従業員のCがその下請作業として配達センターにてフォークリフトを運転して後退したところ, 他の車両を誘導していた原告に衝突した事故につき, 元請の被告A社とCとの関係は使用者·被用者の関係と同視するに足りるほどのものではなかったとして, 被告A社の民法七一五条に基づく使用者責任を認めず, 被告B社の同責任を認めた事例
二. 事故につき, 原告とCの双方とも騒音が多く混乱した現場における作業員として安全確保のために高度の注意義務を負っていたが, 漫然とフォークリフトを後退させていたCの過失が非常に大きいとして, 過失割合を原告一, C九と認めた事例
三. 原告(男·五六歳·会社員)の後遺障害(一足の第二の足指を含み二の足指の用を廃したもの―一三級一〇号該当)による逸失利益につき, 勞働能力喪失率を九パーセントとし, 当初五年間は事故時の収入を基礎に, その後の五年間は賃金センサス(六〇歳~六四歳)の学歴計·男性の平均賃金を基礎に算定した事例
索引 配送センターでのフォークリフトと他車誘導者の衝突事故·傷害―後遺障害(男·症状固定時五六歳·会社員)·使用者の責任·消極損害(後遺障害逸失利益)·過失相殺
46. さいたま地裁(窪木稔)五月二二日(平二四(ワ)二四二三, 二五四一)=629
要旨
一. 被告運転の被告車(中型貨物自動車)が高速道路料金所の左から三番目のETCを通過し, 走行車線第一通行帯に続く渋滞車両の後ろに停車し, 同所一番左側のETCを通過した原告運転の原告車(普通乗用自動車)が, その前部を被告車とその先行車との間に進入させるように停車したところ, 原告車が動く前に被告車が前進し走行車線第二通行帯の方に向かって動き出し, その際, 被告車の左側面が原告車の右前側部付近に接触, 損壊させたものの(第一事故), 被告車は停止することなく走り去ろうとしたので, 原告車が被告車を追い越してこれを停車させ, 兩者が車から降りて押し問答になったが, 被告が「急いでいる」と言って被告車に戾り被告車を発進させようとしたので, 原告も被告が逃走しないように原告車を発進, 先行させ, 被告車を逃走させないようにして進行し, 停車スペースを見つけて停車しようとしたところ, 被告車前部が原告車後部に衝突し(第二事故), 原告車後部が損壊したが, 被告車は再び逃走し, 原告が数キロメートル追跡しつつ, 携帯電話で警察に通報したところ, 警察官から諭され追跡をやめたという事案において, 原告対被告の過失割合を, 第一事故については一対九, 第二事故については一対四と認めた事例
索引 高速道路料金所付近での自動車対自動車事故·物件損害(車両損害)·過失相殺
47. 神戸地裁(田中智子)五月二三日(平二四(ワ)五九六, 二〇九七)=637
要旨
一. 深夜, 訴外A·Bが, 片側三車線の高速道路において抜きつ抜かれつの状態となった後, 互いの車両(いずれも普通乗用自動車)を走行車線(第一車線)上にA車(前), B車(後ろ)と縦に並んで停車させて降車し口論していたところ, 時速約八〇キロメートルで同走行車線を進行してきた訴外C運転の大型貨物自動車(原告車)がB車に衝突し, B車がA車に衝突してB·Aが死亡した事故につき, A, Bには高速道路における停車禁止義務に違反した過失が認められ, Cには前方を注視し, 進路の安全を確認しながら進行すべき注意義務に違反した過失があるから, それぞれ民法七〇九条に基づく責任があり, Cの使用者である原告には民法七一五条に基づく責任があるとしたうえで, A, B, Cの過失割合については, まずA·Bを総体としてみることとし, A·Bの高速道路の走行車線上における停車行為は重大な過失にあたるとし, B車は前照燈を点燈していたものの停止表示器材を設置せずハザードランプも点燈させていなかったこと, 他方, Cは約二二二.五メートル前方で一旦B車を発見していたこと, 原告車(C車)の先行車がA車·B車を回避できていること等から, Cの前方不注視の程度は著しいものであったとしてA·B対Cの過失割合を六〇対四〇としたうえで, A対Bの過失割合は五〇対五〇であるとして, 結局A対B対Cの過失割合を三〇対三〇対四〇と認めた事例
索引 自動車三臺による衝突事故·過失相殺(物損の過失割合)
48. 名古屋地裁(光野哲治)五月二三日(平二三(ワ)四六九二, 平二五(ワ)四二一)=650
要旨
一. 第一車線を走行する被告車両(普通乗用自動車)が, 停止車両との衝突を回避するため, やや後方の位置を被告車両とほぼ同速度で並走する原告車両(普通乗用自動車)の存在を認識しないまま第二車線への進入を開始して原告車両と衝突した事故につき, 原告は被告車両の第二車線進入のおそれを豫測できたのであるから, 被告が進路変更時の適切な合図を缺いたことを過度に重視することはできないとして, 原告対被告の過失割合を二五対七五と認めた事例
二. 不法行為によって特定の症状を生じたことが認められる被害者の損害を検討する上で, 被害者が就業や日常生活上の動作等の特定の行動をとったことによって当該症状が増惡ないし遷延した事実が認められても, 被害者が当該行動をとったことが医師の指示ないし社会通念等に反することを基礎づける事情が認められない限り, 当該症状の増惡ないし遷延について, 不法行為との相当因果関係を否定し, あるいは過失相殺の法理に準じて損害額を減額することは相当でないとし, 事故により腰痛を発症した原告(性別不明·年齢不明·会社員)の腰痛の増惡について, 原告が出勤をして自動車運転等の業務に従事したことが影響した可能性が認められるが, 過失相殺の法理に準じて損害額を減額するのは相当でないとし, 事故の約八か月後を症状固定日とする医師の診断に不合理な点はないとした事例
三. 原告(性別不明·年齢不明·会社員)の腰痛による後遺障害の有無及び逸失利益について, 腰痛には椎間板ヘルニアが影響している可能性を否定することはできず, 後遺障害等級一四級九号に該当する後遺障害を超えるものであると考えられるが, 事故の衝撃による椎間板ヘルニアの腰痛への影響を医学的に証明しうる他覚的所見は存在しないこと, 椎間板ヘルニアは経年性の変性である可能性も否定できないこと等から, 症状固定時に残存する原告の腰痛については, 椎間板ヘルニアの影響の可能性を捨象した結果として, 後遺障害等級一四級九号に該当するものと認め, 勞働能力喪失率五パーセント, 勞働能力喪失期間五年として算定した事例
四. 原告(性別不明·年齢不明·会社員)が, 雇用保険法上の基本手当及び傷病手当として受給した額につき, 原告は, 休業給付の請求を行うべきところを, 誤って雇用保険法上の請求手続を行ったため, 基本手当及び傷病手当を受給するに至ったと認めるのが相当であるとし, 雇用保険法が勞働者災害補償保険法一二条のような給付と私法上の損害賠償請求件の関係の調整をはかる規定を置いていないのは, 原則として, 基本手当及び傷病手当の受給を理由とする損益相殺的な調整を否定する趣旨であると解するとしても, 休業補償を受給した場合との公平を図る見地から, 原告の損害からその全額を控除する調整を行うのが相当と認めた事例
五. 右四の控除につき, 休業給付を受給した場合と異なり, 基本手当及び傷病手当受給が原告の損害賠償請求権の帰属に影響しないことや, 原告が休業給付の請求手続を行うべきことを認識しながら故意に雇用保険法上の請求手続を行ったものとは認められないことから, 過失相殺前にこれを控除するのが相当であるとした事例
索引 自動車対自動車事故·傷害―後遺障害(性別不明·年齢不明·会社員)·消極損害(後遺障害逸失利益)·後遺障害の認定(後遺障害程度の認定)·損益相殺(雇用保険上の基本手当及び傷病手当)·過失相殺
49. 横浜地裁(吉田彩)五月二七日(平二四(ワ)二三八四)=667
要旨
一. 深夜に酔って路上に横臥していた被害者(男·五四歳·会社役員)をタクシーが轢過し死亡させた事故につき, 事故現場付近が店舗の明かり等で比較的明るく, より早期に被害者の発見が可能であったこと等を考慮して, 過失割合を被害者三五パーセント, タクシー運転手六五パーセントとし, これを被害者側の過失と評価して遺族(原告)らからの請求においても過失相殺を認めた事例
二. 被害者の妻が支出した, 事故に関する刑事事件の公判期日傍聴のための交通費(往復飛行機代, 傍聴回数一回), 刑事記録謄写費用を事故による損害と認めた事例
三. 事故前に被害者(男·五四歳·会社役員)が生活費等を一部負擔していた事実から, 相続放棄をした妻(同居)及び母(別世帯)につき, それぞれ扶養逸失利益の発生を認め, 事故前年の年収額に管理職経費としての支給額の二分の一を加算した額を基礎収入, 生活費控除率三〇パーセント, 稼働年数を一四年として被害者の逸失利益を算定した上で, 妻につき同金額の四〇パーセント相当額(ただし, 被害者の死亡を原因として受給することが確定した遺族厚生年金額を控除)を, 母につき一五パーセント相当額を扶養逸失利益額と認定した事例
四. 死亡した被害者の近親者固有の慰謝料につき, ひき逃げ事案であることも考慮して, 妻につき五〇〇万円, 子二名につき各一〇〇万円, 母につき二〇〇万円を認めた事例(全員相続放棄しているので本人分の請求はない)
索引 自動車対歩行者事故·死亡(男·五四歳·会社役員)·積極損害(交通費(刑事公判期日傍聴のため)·その他(刑事記録謄写費用))·消極損害(扶養逸失利益―扶養請求権の喪失)·慰謝料(近親者―親·子·妻)·過失相殺(被害者側の過失)
50. 東京地裁(阿部潤)五月二八日(平二四(ワ)一六四五九)=677
要旨
一. 夜間, 駐車禁止区域に原告車(事業用普通乗用自動車)を停止させ, 後部トランクを開けて荷物の積卸しを超える(積卸し以外の)作業をしていた原告及び原告車に被告車(事業用普通乗用自動車)が追突した事故において, 原告にはハザードランプを点燈させるなど後方の車両に対する注意喚起の措置を全くとらなかったことが認められるとして, 二〇パーセントの過失相殺を認めた事例
二. 個人タクシー業者(男·症状固定時六〇歳)の後遺障害(左膝関節の機能障害, 歩行困難, 右手の神経症状及び下肢の醜状障害につき, 併合九級)による逸失利益につき, 勞働能力喪失率三五パーセント, 稼働可能年数は一一年としてライプニッツ方式により算定した事例
索引 自動車対自動車追突事故·傷害―後遺障害(男·症状固定時六〇歳·個人タクシー業)·消極損害(後遺障害逸失利益)·過失相殺
51. 東京地裁(有冨正剛)五月二九日(平二三(ワ)二五九五六)=682
要旨
一. 示談の効力につき,
1. 神経症状につき後遺障害等級一二級を前提とする示談の成立当時, 高次脳機能障害の発症·増惡, 症状固定の見込時期, 後遺障害の程度等を豫測することは困難であったとして, 同示談の効力は, 高次脳機能障害による損害にまで及んでいないとした事例
2. 事故発生日から示談成立日までの遅延損害金は示談により清算されたと解するのが当事者の合理的意思に沿うとし, 高次脳機能障害による損害に対する遅延損害金についても示談成立日の翌日以降の分に限り賠償請求を認めた事例
3. 被害者(男·事故時二三歳·症状固定時三一歳·会社員)の後遺障害(七級)逸失利益の算定において, 賃金センサス男性·高校卒·全年齢平均の年収を基礎とし, 勞働能力喪失率を五六パーセント, 勞働能力喪失期間を満六七歳までの三六年間としてライプニッツ方式により算定したうえで, 示談の効力として, 神経症状による後遺障害(一二級)を前提として算定される逸失利益(勞働能力喪失率一四パーセント, 勞働能力喪失期間を二〇年としてライプニッツ方式による)を控除するのが相当と認めた事例
4. 被害者の後遺障害慰謝料につき, 高次脳機能障害(七級)に基づく慰謝料額一〇〇〇万円から, 示談の効力が及ぶ神経症状(一二級)に基づく慰謝料額二九〇万円を控除した残額の限度で認めた事例
二. 第二通行帯から第一通行帯に進路変更した被告車両(普通貨物自動車)が第一通行帯を進行中の原告車両(大型自動二輪車)に衝突した事故につき, 被告には進路変更に当たり後方の安全確認を怠った過失があるが, 原告にも進路前方車両の動静への注意を怠った過失があるとして一〇パーセントの過失相殺を認めた事例
三. 高次脳機能障害等の後遺障害(七級)を残した被害者(男·事故時二三歳·症状固定時三一歳·会社員)につき, 近親者固有の慰謝料として, 被害者の過失の程度(過失割合一〇パーセント)その他一切の事情を考慮して被害者の兩親に各四五万円を認めた事例
索引 自動車対自動二輪車事故·傷害―後遺障害(男·事故時二三歳·症状固定時三一歳·会社員)·後遺障害の認定(高次脳機能障害)·慰謝料(後遺障害·近親者―兩親·高次脳機能障害)·遅延損害金(起算点)·過失相殺·示談(拘束力の認否)
52. 東京地裁(有冨正剛)五月二九日(平二四(ワ)一九八三八)=693
要旨
一. 被告会社作成の内容虚偽の休業損害証明書による被告Aの休業損害の過大な請求につき, 原告保険会社が共同不法行為にあたると主張した場合につき, 被告会社と被告Aとが共謀して休業損害証明書に虚偽の記載をして過大な休業損害を請求したとまで認めることはできないが, 被告会社が, 被告Aの休業損害証明書の収入について過大な記載をすることにより, 被告Aが原告保険会社から過大な休業損害名目額(現実の収入の約一.七五倍)の保険金の支払を受けることを認識し, 少なくとも過失により幇助したものとして, 被告らの民法七一九条二項の責任を認めた事例, 索引 : 自動車対自動車追突事故·共同不法行為責任(保険金の過大な請求について)
53. 大阪地裁(後藤慶一郎)五月三〇日(平二三(ワ)一〇〇六二, 一三五五二, 一三五五一)=698
要旨
一. 高速道路サービスエリア進入路(ランプウェイ)における原告車(中型貨物自動車)と進入路の右端に駐車されていた被告車(大型貨物自動車)との衝突事故につき, 事故の主な原因は, 原告車運転者が前方注視義務を怠った点にあり, その懈怠の程度は軽視しうるものではなかったとし, ランプウェイでは最高速度が時速四〇キロメートルに制限され, 高速道路本線のような高速走行が豫定されていないことを考慮すると, 事故がランプウェイ内での事故であったとの事情は被告車運転者の過失割合を定めるにあたってさほど重視すべきものではないとして, 過失割合を, 原告車運転者七五, 被告車運転者二五と認めた事例
二. 原告会社は, 事故により死亡した従業員(被害者)のために社葬を行い葬儀関係費用を支出したが, 社葬は社会一般において慣行になっているものとは認められず, 事故と相当因果関係のある損害とは認めがたいとして, 原告会社が支出した費用を事故と相当因果関係のある損害とは認めなかった事例
三. 原告会社が支出した被害者の靈柩車費用も事故と相当因果関係のある損害とは認めなかった事例
索引 自動車対自動車事故·死亡(男·年齢不明·運送会社従業員)·積極損害(葬儀費等·靈柩車費用)·過失相殺
54. 大阪地裁(横地大輔)五月三〇日(平二四(ワ)一八)=707
要旨
一. 被害者(女·事故時一八歳(症状固定時一九歳)·高卒後二年の専門学校に入学し, 二一歳で就労)の後遺障害(顔面醜状痕―七級一二号, 右手の神経症状―一二級一三号, 併合六級)逸失利益について, 勞働能力喪失率は, 事故後, 利き腕である右手の症状が軽快することもないまま転職を続ける等, 現実の勤務への具体的な支障, 就労の不安定性, 今後の転職等で受ける可能性のある不利益の存在等を考慮し, 醜状痕と右手の神経症状をあわせて二五パーセントと認め, 就労可能期間を六七歳までの四六年間として算定した事例
二. 被害者(女·事故時一八歳(症状固定時一九歳)·高卒後二年の専門学校に入学し, 二一歳で就労)の後遺障害(併合六級)による慰謝料として一二二〇万円を認めた事例, 索引 : 自動車対自動車事故·傷害―後遺障害(女·症状固定時一九歳·高校三年生)·消極損害(後遺障害逸失利益)·慰謝料(後遺障害)
55. 大阪地裁(田中俊行)五月三一日(平二四(ワ)九四一)=713
要旨
一. 片側一車線の道路において, 加害者運転の普通乗用自動車が, 先行していた被害者(女·事故時七一歳·主婦)運転の原動機付自動車を追い越す際に接触して被害者が転倒した事故につき, 加害者らは過失相殺を主張するが, 事故の直接の原因は, 加害者が, 被害者の動静注視という基本的な注意義務を怠った過失にあり, その過失は重大であったのに対し, 被害者に過失相殺すべき程の過失ないし落ち度があったということはできず, 被害者のヘルメット着用方法が不適切であったと認めるに足りる的確な証拠もないとして過失相殺を否定した事例
二. 被害者(女·事故時七一歳(死亡時七三歳)·主婦)の付添看護費につき, 治療看護上の観点から近親者による付添看護が必要であったとはいえないが, 近親者が重傷を負って入院する事態となった以上, 定期的に心身の様子を確認しに行くことは必要であるといえるなど諸事情を勘案して, 一二五万円(入院期間六二五日, 日額平均二〇〇〇円)を認めた事例
三. 被害者(女·死亡時七三歳·主婦)の死亡による逸失利益につき, 就労可能年数を八年, その間を通した基礎収入を二一九万二四〇〇円(平成二三年賃金センサス女性六五歳以上平均二七四万〇五〇〇円の八〇パーセント), 生活費控除率三〇パーセントとして, ライプニッツ方式により算定した事例
四. 被害者(女·死亡時七三歳·主婦)の入院慰謝料, 死亡慰謝料につき, 被害者の受傷内容, 入院期間(六二五日間), その間の状況, 事故前の生活状況, 年齢などに照らして, 入院慰謝料四〇〇万円, 死亡慰謝料一九〇〇万円, 近親者固有慰謝料として夫に一五〇万円, 子三名に各五〇万円を認めた事例
索引 自動車対原付自転車事故·死亡(女·事故時七一歳·主婦(家事専従))·積極損害(付添看護費)·消極損害(死亡逸失利益)·慰謝料(障害·死亡)·過失相殺
56. 大阪地裁(長島銀哉)六月一一日(平二四(ワ)二五〇)=722
要旨
一. 会社代表者などの個人が負傷し, それに伴って会社に損害が生じたとしても会社固有の損害を認めなかった事例
二. 被害者(男·四二歳·会社役員)の休業期間につき, 症状固定日までの期間全体を通じた形で事故による影響をとらえたときに, あえて通院日における全部休業の相当性まで問うことは損害全体のバランスという観点に照らして相当でないこと等を考慮して, 少なくとも事故直後に被害者が休業した三日間及びその後の通院日一〇日間については, 被害者の休業は全体として相当なものであると認めた事例
三. 被害者の休業損害につき, 被告は, 被害者に支払われている役員報酬が休業によって直接減額されていないことをもって被害者の休業損害について争うが, 本件のように個人と会社が共同原告となり, 同一の手続内でそれぞれ損害を請求する場合において, 兩者の明確な意思の合致に基づいて反射損害を請求せず, 休業損害の形で個人から請求するという選択がなされているときには, その選択に従った形で認定をしたとしても被告に不利益はないとし, 裁判所が原告らの合致した意思を排して論理的にいずれに損害が帰属するかを突き止めて認定·判断することは, 事案の解決としても, 民事訴訟における私的自治の価値判断に照らしても相当でないとし, 本件において, 休業日数に直接比例する形で被害者の役員報酬の減額措置がとられていないとしても, そのことは被害者の休業損害を認定する妨げにはならないと判断した事例, 索引 : 自動車対自動車事故·傷害―後遺障害(男·事故時四二歳·会社役員)·消極損害(休業損害)·企業の損害(否定)
57. 京都地裁(永野公規)六月一三日(平二四(ワ)二九〇三)=736
要旨
一. 原告Xが運転する甲車とA運転の乙車とが衝突しXが負傷した事故につき, Aと保険契約を締結していたB保険会社がXの損害額と過失割合について合意をしてXと示談し, それに基づく損害賠償金が支払われた(本件受領金)が, 他方, XはY保険会社と人身傷害補償条項がある自動車保険契約(本件契約)を締結していたので, Yに対し, 民法上認められるべき過失相殺前の損害額(いわゆる裁判基準損害額)に基づき, 本件示談に基づく損害額から本件受領金を控除した賠償額の支払いを求めたのに対し, 本件契約には, Yが支払う保険金の額は, 本件契約所定の基準(本件基準)により従い算定された「損害額」から「保険金請求権者が賠償義務者から既に取得した損害賠償金の額」等を差し引いた額との約定があり, 「判決または裁判上の和解において, 賠償義務者が負擔すべき損害賠償額が」本件基準「と異なる基準により算出された場合であって, その基準が社会通念上妥当であると認められるときは」「その基準により算出された額を損害額とする」旨の例外規定があるところ, 当該規定は「判決または裁判上の和解」と二義を許さないほど明確に定めており, 裁判外の合意である本件示談を含まないとして, 本件基準と本件受領金との差額に限り支払うとしたYの主張を認めた事例
索引 自動車対自動車事故·人身傷害補償条項がある保険金の算定
58. 東京地裁(小河原寧)六月一四日(平二二(ワ)一四五九四)=740
要旨
一. 被害者(男·七二歳)の既存障害であるパーキンソン病が本件死亡等に与えた寄与度につき, 被害者は事故当日も杖を持たずに一人で散歩していたことからすれば, 事故当時における被害者のパーキンソン病における既存障害の程度は九級一〇号程度と認めるのが相当であるとし, 障害の程度等諸般の事情を考慮して, 既存障害であるパーキンソン病が本件死亡等に与えた寄与度を三〇パーセントと認めた事例
二. 被害者(男·七二歳)の死亡による逸失利益(年金収入喪失分)につき, 老齢基礎年金受給額を基礎に, 生活費控除率五〇パーセントとして, 平均余命九年につきライプニッツ方式で算定した事例
三. 被害者(男·七二歳)の死亡による慰謝料につき本人分二二〇〇万円, 妻固有分一〇〇万円, 子二名の固有分各五〇万円を認めた事例
索引 自動車対歩行者事故·死亡(男·七二歳·年金受給者·パーキンソン病の既存障害あり)·消極損害(死亡逸失利益―年金の逸失利益性)·慰謝料(近親者―子·妻)
59. 名古屋地裁(藤野美子)六月一九日(平二四(ワ)六一八)=755
要旨
一. 建設会社が, マンション建築基礎工事の杭打ち機搬出のため, 道路使用許可を受けることなく工事現場に隣接する道路上にベニア板パネルを敷設していたところ, 被害者(男·事故時六七歳)の搭乗する自転車の前輪がパネルに当たり, 自転車が転倒して被害者が受傷した事故につき, 被害者はパネルの脇を通過することが十分に可能であったのであり事故の原因は主に被害者の自転車運転操作の誤りによるものであるが, 建設会社にもパネル付近を通過する自転車等の通行の安全に配慮すべきであるのに事前に何らの措置も講じなかった過失があるとして, 過失割合を被害者九対建設会社一とするのが相当であるとした事例
二. 被害者(男·事故時六七歳·合資会社である布団店経営)の休業損害の算定例―事故年度の実収入(給与所得額年額一二二万円)を基礎収入とし, 事故後一〇四日間につき七〇パーセント, その後二一四日間につき四〇パーセントの就労制限を認めた事例
三. 被害者の後遺障害(右鎖骨の変形障害―一二級, 右肩関節の機能障害―一二級, 併合一一級該当)による慰謝料について四二〇万円を認めた事例
四. 被害者の後遺障害(併合一一級)による逸失利益の算定例―事故年度の実収入額(給与所得額)を基礎収入額として, 勞働能力喪失率を一四パーセント, 勞働能力喪失期間を八年間としてライプニッツ方式によった事例
索引 工事現場に隣接する道路上での自転車転倒事故·傷害―後遺障害(男·事故時六七歳·布団店経営)·因果関係(事故の発生)·消極損害(休業損害)·後遺障害の認定(治療期間の認定例)·慰謝料(後遺障害)·過失相殺
60. 大阪地裁(長島銀哉)六月二五日(平二四(ワ)三五一四, 八九〇九)=764
要旨
一. 交通整理の行われていない交差点において, 優先道路を進行した原告車(普通乗用自動車)と, 一時停止標識のある道路を進行した被告原付自転車が衝突した事故について, 事故態様としてはその責任の大半は被告にあるといえるが, 原告車両が四輪車であり, 原付である被告車両に対して相対的に交通強者であるというべき立場にあることを考慮して, 過失割合としては, 原告一五, 被告八五が相当と認めた事例
二. 事故車両保管費について, 事故の約一か月後には, 原告において経済的全損であるか否かを判断できる状況になっていたとして, 一か月分一万一〇〇〇円を認めた事例
三. 親族からの代金支払いの約束のない代替車両借用に関する謝礼について, 社会的儀礼としての謝礼の範囲では損害として事故と相当因果関係を認めることができるとし, 実費ではなくあくまで社会的儀礼の範囲での金額にとどまるのであることを考慮すると, 相当とすべき範囲は最大でも一日三〇〇〇円にとどまるとし, その期間は, 事故車両保管費と同様, 事故から約一か月程度が相当な期間であると認められるとし, 代替車両借用費として三〇日分の九万円を認めた事例
四. いわゆるレッドブックにも価格記載がなく, 初度登録は約一四·五年前, 走行距離約六万八〇〇〇キロメートルの車両(購入価格一〇四万五〇〇〇円)を定率減価償却法により計算した残存時価額約一〇万五〇〇〇円は修理費用を下回ることから経済的全損にあたり, 車両損害はその範囲でのみ認められるとした事例―この場合において, 買換諸費用として, 消費税, 登録費用, 車庫証明, 納車手数料, 解体処分費用, 抹消登録費用のほか, 減価償却法による金額算定が必ずしも具体的な取引実情を反映してなされたものではないという本件の個別的な事情の下では, 車検登録料を含んだ整備費用一二万五〇〇〇円は, 車両時価額に算入すべき費用として相当性を缺くものではないとした事例
索引 原付自転車対自動車事故·物件損害(車両損害―全損·代車料―代金支払い約束のない借用)·過失相殺
61. 神戸地裁(松井千鶴子, 田中智子, 生田大輔)六月二六日(平二四(レ)五四〇, 平二五(レ)七三, 一三一)=776
要旨
一. 被害車(大型トラック)の修理費用につき, 大型トラックにおいて塗装の剥げや傷が生じることは豫定されており, 被害車が実際に修理されることなく使用され続けているから損害は生じていないとする加害者の主張を認めず, 事故によって車体に損傷が生じた以上, それを従前の状態に復するための費用は, 車両の所有者などの損害と認めるのが相当であり, この理は, 車両が大型トラックである場合や, 車両が実際には修理されずに使用され続けている場合にも異なるものではないとした事例
二. 事故と相当因果関係のある第一審原告の司法書士(訴訟代理人)費用相当損害金につき, 原審の訴訟の経緯に鑑み一万六三八〇円を認めた事例
三. 使用者が, その事業の執行につきなされた被用者の加害行為により直接損害を被った場合には, 諸般の事情に照らし, 損害の公平な分擔という見地から信義則上相当と認められる限度において被用者に対し損害賠償請求をすることができるとし, 本件に現れた一切の事情に鑑みれば, 事故により使用者が被った損害(修理費用)のうち, 被用者に対して賠償を請求できる範囲を信義則上五分の一を限度と認めた事例
索引 交差点において大型トラックが電柱に衝突した事故·積極損害(司法書士費用)物件損害(車両損害―修理費)·信義則による賠償の範囲の制限
62. 大阪地裁(後藤慶一郎)六月二七日(平二二(ワ)一四〇九〇)=788
要旨
一. 信号機による交通整理の行われていない交差点において, 優先道路を指定最高速度を超える速度で走行し, 進路前方·左右の安全を十分に確認しなかった被告車(普通貨物自動車)と, 自転車横断帯のない横断歩道上を, 自転車に乗って横断し, 被告車の走行車線に進入する前に同車線上の接近車両の有無等の安全確認をしなかったものと推認される児童の自転車が衝突した事故につき, 自転車搭乗者としては, 付近に自転車横断帯のない横断歩道上を横断する際には, 自転車を降りて横断するのでない限り, 横断歩道を通過しようとする車両に対して, 歩行者と同様に絶対的な保護が法的に認められているとはいえず, 横断歩道上を通行するという光景が日常よく見かけられるものであるとしても, それをもって, 落ち度と評価することが妨げられるものとはいえないとし, 交差点が市街地内にあること, 児童の横断道路が片側一車線であること, 児童が当時一〇歳であったことを含む諸事情を総合考慮して, 児童の過失割合は一五パーセントとした事例
二. 一〇歳の男児の本人死亡慰謝料として二〇〇〇万円, 父母に固有慰謝料各一五〇万円, 双子の弟に〇万円, 妹に二〇万円を認めた事例
索引 自動車対自転車事故·死亡(男·一〇歳·小学四年生)·慰謝料(死亡·近親者―親·弟妹)·過失相殺
63. 福岡地裁(須田啓之)久留米支部六月二七日(平二四(ワ三三六, 四八〇)=805
要旨
一. 道路交通法三九条一項に基づき, 緊急自動車が追い越しをするためその他やむを得ない必要があって道路の右側部分にその全部又は一部をはみ出して通行することが許容される場合に, 安全運転義務に加えて, そのはみ出し方をできるだけ少なくするようしなければならない義務はないとした事例
二. 道路交通法一七条五項に基づき, 緊急自動車が道路の右側部分にはみ出して通行することができる場合に, 徐行義務を負わないとした事例
三. 火災発生による出動指令を受け, 火災現場に向かうべく, サイレンを吹鳴させながら緊急自動車として片側二車線の道路の第二車線を走行中の消防車が, 前方の交差点の赤信号により第一車線に一臺, 第二車線に二臺車両が停止していたので, これらを追い越すため, 中央線を越え, 消防車の全部を反対車線の第二車線にはみ出して走行したところ, 反対車線の第一車線から第二車線に進路変更をした大型貨物自動車と衝突した事故につき, 消防車運転者に過失がないとして, 国家賠償法一条一項の責任を否定した事例
索引 自動車対自動車事故·運転者等の故意·過失(運転上)·国家賠償法一条の責任
64. 東京地裁(三木素子)六月二八日(平二四(ワ)一五一六六, 二三八六〇)=811
要旨
一. 交通整理の行われている交差点において直進する原告自動二輪車と対向右折の被告乗用車が衝突した事故の過失割合につき, 被告は, 交差点を右折進行するにあたり, 前方左右を注視し, 対向直進車の有無及びその安全を確認しながら右折進行すべき注意義務を怠り, 後部座席の息子に注意を奪われて, 対向直進車の有無を十分確認しないまま原告車の直前で右折進行した過失があると認め, 被告車の動静に対する注視が不十分であった原告の過失を五パーセント, 被告の過失を九五パーセントと認めた事例
二. 事故による後遺障害として, 自賠責保険により, 右膝関節の機能障害につき一〇級一一号該当, 右股関節等の障害につき一二級二二号該当, 右大腿骨の変形癒合につき一二級八号該当(右下肢の短縮障害の一三級八号該当は上位等級に評価), 併合九級の認定を受けた原告(男·三七歳, 症状固定時三八歳·会社員)の後遺障害による逸失利益について, 入社三年後である事故前年度の収入が賃金センサスの平均賃金をかなり下回ることから, 症状固定年の賃金センサス男子学歴計全年齢平均賃金の八〇パーセントを基礎収入とするのが相当として算定した事例
三. 原告(男·症状固定時三八歳·会社員)の傷害(入院約七か月, 通院約一〇か月)による慰謝料算定につき, 入通院中の被告の不誠実な対応等を考慮して, 三五〇万円を認めた事例
四. 原告(男·症状固定時三八歳·会社員)の後遺障害(九級)による慰謝料として六九〇万円を認めた事例
索引 自動車対自動二輪車事故·傷害―後遺障害(男·症状固定時三八歳·会社員)·消極損害(後遺障害逸失利益)·慰謝料(傷害·後遺障害)·過失相殺
65. 横浜地裁(齋木敏文)六月二八日(平二四(ワ)三四六七)=831
要旨
一. 原告(女·症状固定時四一歳·パート従業員)の勞働能力喪失の程度につき, 原告の勞働能力はめまい及び嗅覚障害によって低下し, 特にめまいが問題となって転職を余儀なくされたのであり, その勞働能力が低下していることは明らかであるが, 日常生活レベルでは特に支障がない程度であることなどから, 勞働能力喪失率を一四パーセントとするのが相当であると認め, これについては原告の事故前のパート収入(年額一二九万余円)と後遺障害逸失利益等を算定する基礎収入(賃金センサス, 三四五万九四〇〇円)とを比較して実質的にも相当であるとした事例
二. 原告は, 事故前, 自宅で自ら義母の介護をしていたところ, 事故によりこれができなくなったため, 介護施設に短期入所をさせざるを得ず, その費用を支払ったが, この分については代替勞働力にかかる費用の問題であり, 休業損害の算定において, パート勞働, 家事勞働及び介護に係る原告の勞働能力の低下を一括して評価するのが妥当であるとした事例
三. 原告(女·症状固定時四一歳·パート従業員)の後遺障害(嗅覚脱失―一二級相当, めまい―一二級一三号該当, 併合一一級)による逸失利益につき, 基礎収入を賃金センサス女性勞働者学歴計とし, 勞働能力喪失率一四パーセント, 勞働能力喪失期間については, めまい及び嗅覚脱失について症状改善の可能性が全くないわけではないが, その具体的時期などを認めるに足りる十分な証拠はないから, 満六七歳までの二六年間として, ライプニッツ方式により中間利息を控除して算定した事例
索引 自動車対自転車事故·傷害―後遺障害(女·症状固定時四一歳·パート従業員)·積極損害(将来の付添看護費)·消極損害(休業損害·後遺障害逸失利益)
66. 大阪地裁(田中俊行)六月二八日(平二三(ワ)八八五七)=842
要旨
一. T字路交差点における直進の原告車(大型自動二輪車)と右折の被告車(普通乗用自動車)の衝突事故につき, 被告車は一時停止規制に従い一時停止したものの右側安全確認を怠り, 原告車に気づかず交差点内に進入したとして, 過失割合を原告一対被告九と認めた事例
二. 事故による左踵骨骨折等の外傷の治療中に発症した精神疾患につき, 事故による入院の長期化に不安になり抑うつ状態を発症したとして事故との因果関係を認めたうえで, 退院·復職後に再発した躁うつ病については原告の心的要因や職場環境要因も関与しているとして, 五〇パーセントの素因減額を認めた事例
三. 会社役員(男·症状固定時五六歳)の後遺障害(左足関節の機能障害, 左足第一~五指の機能障害により障害等級併合八級該当)に伴う逸失利益の算定例―事故により役員を解任されたことで役員報酬中の勞働対価部分も利益配当部分ないし業務対応部分も得られなくなったとして減収(事故前収入の約三〇パーセントの四六一万円)の全てが事故と因果関係のある経済的不利益であるとして消極損害を算定するのが相当とし, 六七歳までの一一年間にわたり, ライプニッツ方式によった事例
四. 被害者(男·症状固定時五六歳·会社役員)の慰謝料につき, 受傷内容, 入通院期間, 後遺障害の程度(併合八級該当)などを理由として, 入通院慰謝料を二八〇万円, 後遺障害慰謝料を八一九万円と認めた事例
索引 自動車対自動二輪車事故·傷害―後遺障害(男·事故時五四歳·会社役員)·素因減額(心因的)·消極損害(後遺障害逸失利益)·慰謝料(傷害·後遺障害)·過失相殺
67. 名古屋地裁(藤野美子)六月二八日(平二四(ワ)三一四九)=856
要旨
一. 信号機による交通整理の行われているT字路交差点における直進の原告自動二輪車と, 対向右折しようとした被告車(普通乗用自動車)が衝突した事故において, 被告には著しい前方不注視の過失があること, 及び結果の重大性等を考慮して, 原告に軽度の前方不注視が認められたとしても, 過失相殺は相当でないとした事例
二. 事故により, 胸髄損傷による兩側下肢全廃等の症状について, 後遺障害等級一級一号該当の後遺障害を残した被害者(男·五七歳·公務員)の後遺障害による逸失利益につき, 復職していることから, 六〇歳定年まで三年間は, 勞働能力喪失率二〇パーセントと認め, 事故前年の実収入を基礎とし, 定年後は, 賃金センサス学歴計·男·年齢別平均賃金を採用し, 被害者の後遺障害は, 乳部以下の麻痺により腹筋が使えず, 加齢と共に車椅子への移乗動作が困難になり上肢の整形疾患を生じる可能性がある等, 勞働能力喪失率を低減させるべき必要性や相当性が認められないとして, 勞働能力喪失率一〇〇パーセントを認めて算定した事例
三. 被害者(男·五七歳·公務員)の将来介護費として, 症状固定日から被害者の妻が六七歳に達するまでの八年間は親族介護によるものとして日額四〇〇〇円を認め, その後の平均余命まで(二六年)は職業介護によるものとして, 日額八〇〇〇円を認めた事例
四. 被害者の後遺障害(一級一号)による慰謝料二八〇〇万円, その妻に固有の慰謝料一〇〇万円を認めた事例
索引 自動車対自動二輪車事故·傷害―後遺障害(男·事故時五七歳·公務員)·積極損害(将来介護費)·消極損害(後遺障害逸失利益)·慰謝料(後遺障害·近親者―妻)·過失相殺
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0002011112 | LM 346.0322 -15-1 | v.46p.3 | 서울관 서고(열람신청 후 1층 대출대) | 이용가능 |
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