第1章 市場と貨幣―経済学の大地にふれる
「二分法的な思考様式を超えて、〈市場〉と〈貨幣〉のあり方をどう理解すればよいか」
①西部忠『市場像の系譜学』『貨幣という謎』②塩沢由典『複雑系経済学入門』『増補複雑系経済学入門』③平井俊顕編著『市場社会とは何か』④ケインズ学会編、平井俊顕監修『危機の中で〈ケインズ〉から学ぶ』⑤伊藤宣広『投機は経済を安定させるのか?』⑥岩井克人他『岩井克人「欲望の貨幣論」を語る』⑦西部忠『脱国家通貨の時代』⑧沖公祐『余剰の政治経済学』⑨ベルナール・シャバンス『入門 制度経済学』➉ジョン・マクミラン『市場を創る』
第2章 資本主義と社会主義―対立する世界のゆくえ
「世紀の資本主義と社会主義をめぐる〈知的格闘史〉を、今あらためて照らし出す」
①岩井克人『二十一世紀の資本主義論』②丸山俊一+NHK「欲望の資本主義」制作班『欲望の資本主義4』③丸山俊一+NHK「欲望の資本主義」制作班『欲望の資本主義5』④日本経済新聞社編『逆境の資本主義』⑤池上彰・的場昭弘『いまこそ「社会主義」』⑥柴田德太郎『資本主義の暴走をいかに抑えるか』⑦松原隆一郎『金融危機はなぜ起きたか?』⑧森岡孝二『強欲資本主義の時代とその終焉』⑨服部茂幸『新自由主義の帰結』➉水野和夫『資本主義の終焉と歴史の危機』⑪伊藤誠『資本主義の限界とオルタナティブ』⑫伊藤誠『入門 資本主義経済』⑬西部忠『資本主義はどこへ向かうのか』⑭岩井克人・生源寺眞一・溝端佐登史・内田由紀子・小嶋大造(著)、京都大学経済研究所附属先端政策分析研究センター(編)『資本主義と倫理』⑮根井雅弘『20世紀をつくった経済学』『サムエルソン『経済学』の時代』⑯ジョージ・ソロス『グローバル資本主義の危機』⑰ジャコモ・コルネオ『よりよき世界へ』⑱デヴィッド・ハーヴェイ『資本の〈謎〉』⑲ポール・クルーグマン、トーマス・フリードマン、デヴィッド・グレーバー、トーマス・セドラチェク、タイラー・コーエン、ルトガー・ブレグマン、ビクター・マイヤー=ショーンベルガー『未完の資本主義』⑳Selected by PeterJ.Boettke. 2000 Socialism and the Market: The Socialist Calculation Debate Revisited、9 volumes.
第3章 経済思想と経済学説―競合性と多様性のはざまで
「経済学という学問が真の危機に直面するなか、〈経済学史〉を学び直す意義とはなにか」
①松原隆一郎『経済学の名著30』②吉川洋『いまこそ、ケインズとシュンペーターに学べ』③猪木武徳『経済学に何ができるか』④伊藤誠『経済学からなにを学ぶか』⑤伊藤誠『マルクスの思想と理論』⑥根井雅弘『続・ものがたりで学ぶ経済学入門』⑦ナイアル・キシテイニー『若い読者のための経済学史』⑧岡本哲史・小池洋一編著『経済学のパラレルワールド』⑨鍋島直樹『ポスト・ケインズ派経済学』➉鍋島直樹『現代の政治経済学』⑪井上義朗『新しい「働き方」の経済学』⑫瀧澤弘和『現代経済学』⑬菱山泉『ケネーからスラッファへ』⑭森岡真史『ボリス・ブルツクスの生涯と思想』⑮若森みどり『カール・ポランニーの経済学入門』
第4章 人間社会と自伝・評伝―勉強と読書のきっかけを摑む
「ときには教科書から離れ、経済学者の肉声から〈人間社会〉の現状と未来を考え直す」
①宇沢弘文・内橋克人『始まっている未来』②宇沢弘文『経済と人間の旅』、『人間の経
済』③広井良典・橘木俊詔『脱「成長」戦略』④佐伯啓思『経済成長主義への訣別』⑤松尾匡『ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼』⑥伊丹敬之『ビジネス現場で役立つ 経済を見る眼』⑦ハジュン・チャン『はしごを外せ』⑧根井雅弘『経済学者の勉強術』⑨青木昌彦『私の履歴書――人生越境ゲーム』➉ラニー・エーベンシュタイン『最強の経済学者 ミルトン・フリードマン』⑪神野直彦『経済学は悲しみを分かち合うために』⑫伊藤元重『東大名物教授がゼミで教えている人生で大切なこと』⑬岩井克人(聞き手=前田裕之)『経済学の宇宙』⑭森村誠一『遠い昨日、近い昔』⑮ジモン・グラフ『ロジャー・フェデラー』
第5章 経済学の冒険は延長戦へ―ブックガイド40のタイブレーク
「経済学の古典から現代の名著までカバーする、〈バリエーション〉に富む40冊ガイド」
タイブレーク(その1) ― プラスアルファの推奨作
①伊東光晴『ガルブレイス』②佐和隆光『経済学のすすめ』③都留重人『近代経済学の群像』④小宮隆太郎『経済学 わが歩み』⑤松井彰彦『市場って何だろう』⑥丸山雅祥『市場の世界』⑦根井雅弘・橘木俊詔『来るべき経済学のために』⑧丸山俊一+NHK「欲望の資本主義」制作班『欲望の資本主義』⑨丸山俊一+NHK「欲望の資本主義」制作班『欲望の資本主義2』➉中谷巌『「AI資本主義」は人類を救えるか』⑪佐々木実『資本主義と闘った男』⑫小林慶一郎『時間の経済学』⑬神取道宏『ミクロ経済学の力』⑭中野剛志『目からウロコが落ちる奇跡の経済教室〔基礎知識編〕』⑮中野剛志『富国と強兵』⑯八木紀一郎『社会経済学』⑰間宮陽介『市場社会の思想史』⑱中村達也・八木紀一郎・新村聡・井上義朗『経済学の歴史』⑲山口周『自由になるための技術 リベラルアーツ』⑳高橋祥子『ビジネスと人生の「見え方」が一変する 生命科学的思考』
タイブレーク(その2) ― プラスアルファの推奨作
①ナオミ・クライン『ショック・ドクトリン(上)(下)』②デヴィッド・ハーヴェイ『新自由主義』③ビンヤミン・アッペルバウム『新自由主義の暴走』④ジル・ドスタレール、ベルナール・マリス『資本主義と死の欲動』⑤ジョン・E・ローマー『これからの社会主義』⑥W・ブルス、K・ラスキ『マルクスから市場へ』⑦ドン・ラヴォア『社会主義経済計算論争再考』⑧ウルリケ・ヘルマン『スミス・マルクス・ケインズ』⑨ピエロ・スラッファ『商品による商品の生産』➉T・バトラー= ボードン『世界の経済学50の名著』⑪マイケル・サンデル『それをお金で買いますか』⑫スコット・ギャロウェイ『the four GAFA』⑬ジャン・ティロール『良き社会のための経済学』⑭クリス・バウアース『ノバク・ジョコビッチ伝』⑮ラファエル・ナダル、ジョン・カーリン『ラファエル・ナダル 自伝』⑯ブランコ・ミラノヴィッチ『資本主義だけ残った』⑰ジョセフ・E・スティグリッツ『スティグリッツ教授のこれから始まる「新しい世界経済」の教科書』⑱フリードリッヒ・ハイエク『個人主義と経済秩序〔新版〕』⑲ポール・スウィージー『歴史としての現代』⑳モーリス・ドッブ『価値と分配の理論』
補章 時代を彩る書物たち―年末回顧「経済学」(2016〜2022)
特別編 経済学はなにをどのように探究する学問か
①根井雅弘先生の『経済学とは何か』(中央公論新社、2008年)を評する
②森岡孝二先生の『雇用身分社会』(岩波新書、2015年)を読む
③伊藤誠先生との対談― 資本主義はのりこえられるか/追悼=伊藤誠先生を偲ぶ
④岩井克人先生のICU国際基督教大学最終講義―独自の理論を語り続けてきた半世紀
エピローグ 経済学の次なる冒険をめざして
※『経済学への冒険』へのリアクション=塩沢由典/平井俊顕/瀧澤弘和/西部忠/松原隆一郎/鍋島直樹/森岡真史/若森みどり/矢野修一/佐々木伯朗/猪木武徳/八木紀一郎
年表/人物ガイド