序章 根源的福祉原理を求めて
1 探究対象
2 問題意識
3 仮説と目的
4 探究と応答
5 「神のはたらき」と宗教
6 展開
第Ⅰ部 「普遍的かつ根源的なもの」への眼差し
第1章 社会福祉学に基づく福祉原理の探究
1 根源的福祉原理を解明するための課題
2 探究の次元と領域の設定
3 科学の有用性と限界
4 宗教の必要性
5 社会福祉学に基づく福祉原理の探究
第2章 各時代の思考空間
1 根源的福祉原理の認識論的基盤を探る
2 思考空間と翻訳
3 各時代・社会における思考空間
4 根源的福祉原理の理解を可能にする思考空間
5 イスラームにおける根源的福祉原理
第3章 プラトン的世界という存在
1 「普遍的なはたらき」の実在性
2 ペンローズの世界理解
3 プラトン的世界の内容
4 形而上学的普遍と3つの世界
5 3つの世界と「時」
6 メシア的時間として到来する愛と正義(福祉原理)
7 「時」の理解が可能にするもの
第4章 プラトン的世界における統整的理念
1 ポスト世俗化社会における神の言葉
2 統整的理念というプラトン的世界の「はたらき」
3 生者と死者が共存するポスト世俗化社会
第5章 プラトン的世界における対称性
1 対称性という原理
2 古代ギリシアの対称性(シンメトリア)
3 精神的世界(正義の系譜)における対称性
4 現代における対称性
5 物質的世界の根源にある対称性
6 対称性が生み出す3つの世界
第Ⅱ部 形而上の次元における「正義」
第6章 過多と不足を調整する正義
1 正義の系譜
2 正義の起源
3 プラトン以前の哲学者が見出した正義
4 古代ローマにおける正義
第7章 徳そして社会正義
1 正義の本質
2 プラトンが見出した正義
3 アリストテレスが見出した正義
第8章 レヴィナスとデリダが見出した正義
1 倫理の次元
2 形而上学(存在論)を超える思考
3 時間(ディアクロニー)と責め(罪)
4 レヴィナスが見出した倫理
5 デリダが見出した正義
6 レヴィナスとデリダの正義
第Ⅲ部 聖(霊)の次元における「愛」
第9章 虐げられている者を護り解放する正義
1 『ヘブライ語聖書』における正義
2 メソポタミアにおける正義
3 『ヘブライ語聖書』
4 『ヘブライ語聖書』におけるツェデク・ツェダカーとミシュパート
第10章 一人ひとりを大切にする愛という「正しさ」
1 『新約聖書』における正義
2 場所論的神学から理解される『新約聖書』の思想
3 「神のはたらき」の経験
4 『新約聖書』における「愛としての正しさ」
第11章 人格と愛
1 キリスト教思想が見出したもの
2 人格の形成と愛の変遷
3 理不尽で耐え難い痛み・苦しみと「神のはたらき」
4 人格と愛に基づく人間理解
第12章 キリスト教と仏教の共通点,そして,慈悲
1 キリスト教と仏教が見出した「普遍的なるもの」
2 仏教の概略
3 キリスト教と仏教の共通点
4 根源的福祉原理としての慈悲
第13章 根源的福祉原理の理論的原型
1 「神のはたらき」の2つの顕れ
2 ペンローズの世界理解と2つの神学
3 デヴィッド・ボームの思想
4 量子(ミクロ)の世界における場
5 場の量子論の場所論的神学への変換
第Ⅳ部 根源的福祉原理と福祉理論
第14章 対称性
1 根源的福祉原理の形式を求めて
2 対称性によって生まれる正義
3 黄金比という普遍的相似対称性
4 黄金比(ギリシア哲学)から神(ユダヤ・キリスト教)へ
5 「神のはたらき」→対称性→愛
6 対称性によって生まれる正義と愛
7 聖(霊)の次元における触発
第15章 正義と愛
1 根源的福祉原理の内容を求めて
2 「根源的福祉原理である正義と愛」というはたらき
3 根源的福祉原理である正義
4 根源的福祉原理である愛と正義
5 根源的福祉原理から導かれる現代における正義の内容
6 根源的福祉原理から導かれる現代における愛の内容
7 暴力に抗する根源的福祉原理
8 社会福祉の役割
第16章 福祉の本質
1 原理から理論へ
2 概念の整理
3 精神的世界における歴史の原動力
4 啓示によって到来する歴史と世界
5 福祉理論
6 福祉の本質
7 福祉理論が露わにする人間の尊厳
第17章 福祉のメカニズム
1 本質における共通性の解明へ
2 社会福祉学における贈与論
3 贈与論
4 理論的基盤
5 高次の贈与における構造とはたらき
6 贈与に基づく福祉の理論的基盤
7 贈与を基盤とした福祉理論
8 福祉の本質
第18章 社会福祉における普遍的なもの
1 社会福祉理論の新たな次元を切り拓く
2 社会福祉理論
3 独立変数としての社会福祉
4 社会福祉の本質
第19章 根源的福祉原理の歴史的発展形態
1 歴史の中で観察される福祉原理
2 古代ギリシア・ローマの系譜における福祉原理と福祉の営み
3 ユダヤ・キリスト教の系譜における福祉原理と福祉の営み
4 福祉原理の2つの系譜
5 福祉活動・事業の原型
6 原理と理論の検証
終章 これからの社会福祉を展望する
1 福祉原理に基づく「福祉」の歴史的発展形態
2 来たるべき社会福祉
3 来たるべき社会福祉を先導する阿部志郎の福祉の思想と実践
4 探究の終わり,そして,来たるべき社会福祉の始まり