はじめに
Ⅰ 「学 ぶ」
第1章 人生は学校で決まるか?
はじめに――教育的不平等のターミナル・ノード
1 学校は平等な場か?
2 学校のあり方と教育機会
3 どこで差ができるのか?
4 学校だけで人生は決まらない――日本の教育的不平等の仕組み
コラム 1 高校教育機会の県内格差
コラム 2 「学歴フィルター」とメリトクラシー
第2章 親子のかかわりと教育の関係を再考する
はじめに――子どもの将来は親によって決まる?
1 家庭環境と教育のつながり
2 家族に関するそのほかの視点――文化資本と社会の変化
3 子育てに対する親へのまなざし
4 他人との違いの背景を考え,自分の人生について考える
コラム 3 文化資本の伝達プロセス
コラム 4 学習塾は教育投資戦略なのか? 生活必需品なのか?
第3章 大学進学と奨学金
はじめに――大学進学と教育費
1 なぜ,日本の教育費の私費負担はこれほど重いのか?
2 奨学金の仕組み
3 発展・複雑化する奨学金の仕組み
4 奨学金制度の歩き方
コラム 5 日本社会における奨学金の課題を考える
第4章 現代日本における大学生の就職活動――自由な選択の背後にひそむ問題
はじめに――大学時代に頑張ったことは就活
1 個人の選択に焦点が当たる就職活動へ
2 個人の選択と水路付けられる「正社員」
3 変わるやり方・変わらない仕組み
Ⅱ 「働 く」
第5章 能力とキャリア――日本型雇用システムの揺らぎ
はじめに――日本的雇用について
1 日本の企業社会で求められてきた能力
2 日本的雇用システムの動揺と若者のライフコース
3 能力とキャリアとの関係を見直すために
まとめ――「能力」を読み取る社会の能力開発へ
第6章 社会人になるとは?――社会的不平等から考える
はじめに――「社会人」=「市民」?
1 産業的シティズンシップとは?
2 日本における産業的シティズンシップの展開
3 雇用関係における序列化のメカニズム――限定正社員を例に
4 社会学的不平等研究との関係
おわりに
第7章 職場を変えるには――ディーセント・ワークと労働運動
はじめに――労働環境の悪化をくいとめるために
1 労働組合は何をしているのか――日本での新たな息吹
2 労働組合とは何か
3 社会的正義を求める運動の展開――米の労働組合運動から
おわりに――権利を生み出す原動力と未来の歴史へ
第8章 理想のライフコースは実現できるか――就労とケア
はじめに――子どもができても,ずっと職業を続ける方がよい?
1 「理想のライフコース」をめぐる労働の実情
2 “労働”時間と役割――その不協和音とジェンダー
3 労働の調整をめぐる政策と課題
4 理想のライフコースをグローバルな視点から考える
Ⅲ 「暮らす」
第9章 一人暮らしと住まいの現在
はじめに――消えた若者?
1 時代とともに変化する若者の離家
2 親と暮らす若者が増えた理由
3 セーフティー・ネットとしての家族
4 若者の「自立」と住まい――住宅政策の空白地帯
第10章 結婚できるとすれば,あなたは結婚しますか?
はじめに――現代日本の結婚
1 結婚の現状
2 結婚・離婚・再婚――結婚の意味とその変化
3 社会の変化と結婚相手選び・結婚相手との協調
4 これからのパートナーシップ
第11章 変化する社会のなかの子ども・若者の自殺
はじめに――自殺は誰の問題か?
1 年齢層別にみた自殺動向の推移
2 デュルケムの自殺論
3 子ども・若者の自殺をめぐって
4 「死にたい気持ち」との向き合い方
第12章 時代とともに変わる高齢者介護
はじめに――身近な問題としての高齢者介護
1 今の介護を支える仕組み
2 家族介護は日本の家族の「伝統」か?
3 近年の高齢者介護の状況
4 これからの介護のあり方
索 引