일문목차
序(英訳付) / 編者=1
I章 生命と健康―「科学を問う」ということ / 綿貫礼子=25
1. 自分史から―「科学を問う」ことを学ぶ=28
2. 生命の視座=33
「未来世代」から今日を読む=35
3. 生態系汚染と生殖健康(リプロダクティブ·ヘルス)=39
生殖健康と環境ホルモン=39
4. 「生態学的安全」を問う=43
II章 放射能汚染が未来世代に及ぼすもの / 綿貫礼子 ; 吉田由布子 ; 二神淑子 ; リュドミラ·サァキャン=47
1. チェルノブイリの未来世代に何が起ころうとしているのか―手探りの調査から「仮説」までの研究アプローチ=49
(1) 一九八六年から(研究の初期)―何もかも手探りから始まった=49
(2) 一九九〇年代半ば以降(研究の二期)―発想の転換, 化学物質による生体反応との比較=51
化学物質の「低用量効果」と放射能の「低線量効果」=52
化学物質と放射線の複眼で考察する=55
(3) 二一世紀に入る頃から(研究の三期)―生殖健康に関わるロシア語文献の調査に努める=56
(4) ヒトの健康影響についての新しい知見や概念の展開期=58
a. 低線量放射線による遺伝的不安定性―遅延型突然変異とバイスタンダー効果=59
b. 生殖と健康に関わる二一世紀の新しい概念―エピジェネティクスと「胎児期起源の疾病と健康」=61
(5) 二〇〇三年以降―国際会議で提起したこと=64
2. 仮説ポスト·チェルノブイリ世代の非ガン疾患増加に対する放射線影響―エピジェネティクスの観点から=66
ポスト·チェルノブイリ世代の健康問題を追跡調査=66
(1) ポスト·チェルノブイリ世代―「健康でない子どもたち」の継続的増加=68
(2) セシウム137汚染地域における, 内部被曝による女性の生殖健康の悪化=70
a. 生殖健康の悪化―臨床面から=70
b. 胎盤, 母乳から検出されるセシウム137=72
c. 性ホルモンの分泌変化と体内セシウム量=73
d. 継続する内部被曝=77
e. セシウムの体内分布=78
(3) 思春期に被曝したのち, 汚染地域で生活する女性の生殖健康=80
(4) 子宮内でのエピジェネティックな変化を介した「胎児期起源の疾病と病気」=82
動物実験と汚染地域住民(ポスト·チェルノブイリ世代)の臨床データが示すこと=83
(5) まとめ―私たちの仮説=88
COLUMN 21世紀に入ってエピジェネティクス研究はどのように進んでいるか=89
(6) 私たちの「仮説」の意味すること=90
III章 チェルノブイリ健康研究からフクシマを問う / 綿貫礼子 ; 吉田由布子 ; 二神淑子 ; リュドミラ·サァキャン=95
1. チェルノブイリ二五周年国際会議場に飛び交った「フクシマ」の声=96
「生態学的健康研究」が必要とされている=101
2. チェルノブイリ事故の衝撃と女性たち=102
フィンランドの女子学生立ち上がる=103
チェルノブイリは東西の「壁」を越えた=104
3. 「国際原子力村」はチェルノブイリ事故の健康影響を如何に評価してきたか=108
国際原子力村―とりわけIAEA(国際原子力機関)について=109
(1) 事故直後から―ソ連政府とIAEAの蜜月ぶり=112
生涯被曝許容線量―七〇年三五〇ミリシーベルト=115
(2) 五周年(一九九一年)の「健康影響評価」―ソ連政府の対策をIAEAに評価してもらう=119
国際諮問委員会報告書=121
(3) 一〇周年(一九九六年)の「健康影響評価」と「人民法廷」=123
「人民法廷」はIAEAや原子力産業を「有罪」に=124
OCHA(国連人道問題調整事務所)の提起が生んだ国連内での波紋=126
(4) 一五周年(二〇〇一年)の「健康影響評価」=129
IAEAとWHO(世界保健機関)のオカシナ関係=131
(5) 二〇〇三年, 国際会議「チェルノブイリの子どもたち」開催される=132
(6) 二〇周年(二〇〇六年)の「健康影響評価」―「チェルノブイリ·フォーラム」の設立=136
チェルノブイリ二〇周年会議―対立はますます鮮明に=138
(7) 国連チェルノブイリ·アクションプラン(二〇〇八年)は何を目指すのか=141
4. 告白―私たちが現地調査の中でぶつかった研究上の問題点=143
① 子どもはいつ, どこで生まれたのか=144
② 持続する生態系汚染の中での「子宮」を問う=146
③ 何を指標にして放射線の影響を見るか=147
④ 「公式見解」に見る「原子力村」の陰を問う=148
チェルノブイリ研究からフクシマを考える=150
5. フクシマの現在(二〇一一年一二月)を問う=152
(1) フクシマから放出された放射能の行方=153
海洋·水系への放射能放出量=155
土壌汚染の広がりが示された=156
推定された被曝者の広がりと被曝線量=158
食品の安全をめぐる論議=158
(2) 「福島県民健康調査」―その問題点を探る=161
国際専門家シンポジウム開かれる―世界の専門家による「権威づけ」=165
6. まとめ―チェルノブイリ健康研究における二〇一一年の新しい知見と提言=166
(1) 新しい知見―チェルノブイリ国際共同研究が示したもの=167
(2) ひとつの提言―未解明分野の健康問題について=170
(3) 今ひとつの提言―フクシマに関連して=172
(4) ニャーグ教授と語り合ったこと=174
IV章 3.11以後, 「脱原発の思想」をあらためて紡ぐ / 綿貫礼子=179
1. 原発利用の選択に「倫理」はあるか=180
2. モスクワ会議へのメッセージ=183
3. 私たち世代にとって原発とは何か―生態学的倫理をめぐって=185
脱原発と世代間倫理=186
生態学における倫理=188
共生という価値について=190
"未来からの使者"が語っていること=191
倫理的想像力=193
4. 科学文明の転換点に立って, 「脱」の新しい思想を紡ぐとき=193
5. 一五歳の少女の声から=194
遺しておきたい言葉=196
廃炉に向けて=198
原発は時代遅れの技術か=199
結 伝え続けたい言葉 / 編者=200
あとがき=206
謝辞=209
補遺=212
参考文献·資料一覧=222