いまや宇宙は、現代の経済社会活動に不可欠のインフラである一方、中国等の衛星破壊実験に見られるように宇宙の戦場化リスクが急速に現実化している。万一、宇宙戦が生起すれば、国家の安全保障・防衛は勿論のこと、経済社会活動や個人の日常生活に至るまで甚大な影響を及ぼさずにはおかないであろう。
本書は宇宙戦が現実化している実態や宇宙戦の概念などについて概説し、現代戦に占める宇宙戦の重要性を述べる。またその背景として、第二次大戦前後からの軍事主導の宇宙開発の歴史、及び最近の動きについて解説。
また、世界の宇宙戦における中心的プレーヤーである米国、ロシア及び中国の取組みについて述べ、その後、宇宙後発国・宇宙小国の日本の宇宙戦への取組みについて詳述。
その上で、「台湾有事は日本有事」が叫ばれる中、万一、中国による台湾侵攻が勃発した場合、他の軍事作戦に先んじて始まると指摘される宇宙戦について分析を行った。
本書は宇宙戦に係わる国際的課題と、それを踏まえた日本の今後の宇宙戦のあり方、特に抜本的強化の方向についての提言を総合的にまとめた書籍である。