〈巻頭〉
(1)紫式部を知るための5つのキーワード
・秀才キャリアウーマン
・地味でまじめ
・プライドが高くコンプレックスがあった
・当時から人気作家で歌人だった
・知性に裏打ちされた鋭い観察眼
(2)『源氏物語』はこうして生まれた
(3)紫式部をめぐる2人の男性
・20歳年の離れた夫・藤原宣孝
・文才の見抜き、抜擢した藤原道長
(4)紫式部か活躍した時代と一条朝
(5)貴族たちとの教養と文化を育む後宮サロン
(6)現代の感覚で再評価する「光源氏という生き方」
第一章 紫式部の半生──女性の歴史の変換点を探る
●紫式部の生まれと育ち
【コラム】平安時代の女性には名前がなかった?
女性作家の本名がわからないわけ
●紫式部の青春、恋愛、結婚
●後宮に勤める──宮仕え生活
【コラム】朝活は当たり前だった? 超朝型の平安貴族の一日
●晩年の紫式部
【コラム】キラキラ女子だった?
娘大弐三位は貴族との恋愛に花を咲かす
●紫式部年表
第二章 平安宮廷で活躍した人々と紫式部[人物事典]
●藤原道長──摂政政治の最盛期を築いた剛腕政治家
【コラム】紫式部は道長の愛人だった?殿と女房の怪しい関係
●清少納言──紫式部の一目置いた才色兼備の女房
【コラム】後宮は噂のワンダーランド。情報はいつも筒抜けだった
●和泉式部──和歌の名手は平安のスキャンダル女王だった
●赤染衛門──温厚な人柄の良妻賢母
【コラム】すべては身分で決まる時代!上流貴族は夢のまた夢
●藤原彰子──父の操り人形から意思を持つ女性へ。
変貌を遂げた一条天皇妃
●藤原定子──愛され過ぎた悲運の后
●一条天皇──平安文化が花開いた時代の天皇
●藤原公任──歌壇の第一人者として活躍した一条朝の文化人
●藤原隆家──将来を展望されたやんちゃな暴れん坊
●源倫子──道長も頭が上がらなかった正妻
第三章 現代の目で読み解く『源氏物語』
●源氏物語の主要登場人物
●源氏物語のあらすじ
●ストーキングとのぞき見から始まる?平安貴族の恋のプロセス
【コラム】格付けされる女たち──正妻になるのは出自の良い女性
●「恋愛と結婚は別」が常識?平安貴族の結婚事情
【コラム】恋愛に欠かせない和歌にはアンチョコがあった!?
●平安貴族の結婚手順と離婚
結婚のプロセスはいろいろ、離婚は「なんとなく」
【コラム】費用はぜんぶ妻の実家持ち!
平安貴族のウエディングセレモニー
●奔放な恋愛を楽しむ平安女性たち
●平安時代のルッキズム──モテる容姿の変遷
第四章 現代の目で読む『紫式部日記』
●平安宮中の記録として貴重な『紫式部日記』
【コラム】『源氏物語』はスポンサーの道長がいなければ
生まれなかった?
●『紫式部日記』に見る男と女
●男性優位の制度と宗教の関わり
●政治権力に密着する女性たち
【コラム】ハードルは意外と高い?
権力者が目指す政略結婚、外祖父摂政
●性差を超えて活躍する平安女性たち
表現手段を手に入れた女性たちの活躍
第五章 聖地巡礼──紫式部ゆかりの地を訪ねて