まえがき
序 論 生を織りなす処から(青木惠理子)
一 芸術隆盛の時代――一九九〇年代から現在まで
二 私たちが生きる歴史的現在
三 現代エピステーメーの彼岸から――各部各章の紹介
第Ⅰ部 グローバル・システムと「いま-ここ」での実践
第一章 コレクティヴの永遠回帰
――ロマン主義から東ドイツ社会、そしてドクメンタへ(高岡智子)
はじめに
一 ドクメンタの歴史――反ファシズムからのはじまり、そしてルアンルパへ
二 ハフトマンのモダニズム論VS.アドルノのモデルネ論
三 東ドイツのコレクティヴ――国営企業、音楽、美術
四 おわりに
第二章 共に生きるという芸術
――インドネシアにおけるコレクティヴの実践を例に (羽鳥悠樹)
はじめに
一 インドネシアにおけるコレクティヴ成立の背景
二 共有の可能性
三 ジャティワンギ・アート・ファクトリーの実践
おわりに
第三章 ことなす、ともにみる
――インドネシア離島村の生から近現代アートを照らす(青木惠理子)
はじめに
一 インドネシア・フローレス島中部山岳地帯の村々の生活
二 近現代アートとフローレスの生
おわりに
Column エル・アナツイ――デュササとチャチャ、つながるということ(川口幸也)
第Ⅱ部 自明性を霧散させる力動の展示
第四章 重度自閉スペクトラム症者による表現についての一考察
――障害特性と創造性を同時に語ることを目指して(山田創)
はじめに
一 戸來貴規の《にっき》――毎日を繰り返すシステム
二 井口直人の自撮りコピー――循環の創造
三 清水ちはる――ダンボールとチラシによる世界の再秩序化とその運営
四 「まとまりを得ない世界」と「同一性保持のためのシステム創造」
おわりに
第五章 出来事としての障害
――ジンメルとドゥルーズの芸術論から障害を考える (松本拓)
一 障害を肯定することの難しさ
二 生の芸術――ジンメルの芸術論
三 イメージ- 芸術- 出来事――ドゥルーズの芸術論
四 別の仕方で障害を肯定する
第六章 作品を展示するということ
――国立療養所菊池恵楓園絵画クラブ金陽会の展覧会からの気づき(藏座江美)
はじめに
一 国立療養所菊池恵楓園に生きる
二 菊池恵楓園絵画クラブ金陽会の歴史
三 金陽会の展覧会の変遷
四 「伝えること」の広がり
Column 展示に何賭ける?(青木惠理子)
第Ⅲ部 身=心の危機と蘇り
第七章 生きることとアート表現
――精神科病院〈造形教室〉の表現者を中心に(藤澤三佳)
はじめに
一 「つらい体験を描く」ということ――表現者の生活史と語り
二 さまざまな表現者たち――自己の変化、変化する表現、他者とのつながり
おわりに
第八章 「生(き)の芸術」から「生(せい)の芸術」へ
――岩下徹の即興ダンスを中心に(服部正)
はじめに
一 美術評論家たちの「生の芸術(アール・ブリュット)」
二 「障害者アート」としての「生の芸術(アール・ブリュット)」
三 岩下徹の即興ダンスとワークショップにみる「生(せい)の芸術」
おわりに
第九章 美的感性と精神、社会、自然(村澤真保呂)
はじめに
一 宗教的直観と美的感性(エステティック)――「危機」の源流
二 一九世紀の「危機」と芸術――社会革命との関連をめぐって
三 「実在」の在処――ロシア・アヴァンギャルドを中心に
四 現在の「危機」と芸術の課題
Column 「生の芸術」と、これからの精神医療(胡桃澤伸)
あとがき――アーツを生へととりもどす